急性骨髄性白血病、闘病の記録(その2:8月9月)

2007年8月1日(水)〜8月2日(木)  

 点滴の抗生剤を止めたら、むかつきがなく、とても楽になっている。内服の抗生剤を使用している。体調良好。マルク。


8月3日(金)〜8月5日(日)

 外泊で一時帰宅。生食解禁で御寿司やサラダを本当に美味しそうに食べる。この病気は血球が上がれば健康な人と全く同じ状態なのです。普通に生活する事がこんなにも幸せを感じることか、家事をすることに喜びを感じているようだ。でも動くとすぐに疲れる。日曜日に病院に戻るのがすごく辛い。東京タワーは、もう見たくない。治療があまりにも厳しいので、外泊で気晴らしをしないと精神的にまいってしまうそうだ。この40日間必死に頑張って元気になった。こんなに元気になったのに、また病院に戻って地獄のような治療を受けなければならないのだ。


8月6日(月)〜8月8日(水)

 胸部レントゲン撮影(肺炎をすごく気にする)。9日に次の治療が決定。

 寛解導入治療で悪い細胞が激減していれば完全寛解という。初枝の場合は完全寛解の判断がぎりぎりで病院によっては完全寛解と判断する場合もあるという。しかし、より確実にするため、もう一度、寛解導入治療を行うとの事。初枝にとっては、辛い治療が更に1ヶ月以上追加されるのでショックだったと思う。でも、この病気は再発をさせない治療がとても重要。どんなに順調に治療が進んでも再発してしまうと何にもならない。もし再発すると、今回のような化学療法を再び行うことはできない。抗がん剤の効果が少なくなってしまうそうだ。だから幹細胞移植をしなければならないそうだ。

 首にカテーテルを挿入。



 病院の食事について。
 他の患者さんから聞いたりした、いろいろな病院のノウハウというものがある。その一つに食事がある。本来なら、病院側からの入院マニュアルみたいなものに書かれてあるべきものなのかも知れない。病院の食事には何種類もあり、栄養相談を受けることにより、かなりわがままを言うことができる。というよりは、薬の副作用で食べられないときは、食べられるものを探すことは当然なことと理解した方が良い。 プリン、アイスクリーム、グラタンなども注文できます。




2回目の治療(寛解導入2回目)

8月9日(木)治療1日目〜8月11日(土)治療3日目(抗がん剤投与)

 (治療1日目)カテーテルの首は少し痛い。夜中の点滴交換で寝不足気味、少し頭が痛い。目が痒く眼科に見てもらい、目薬をもらう。お昼前に無菌室に移動。早速、ダウノマイシンとキロサイドを投与。吐き気止めは点滴と内服の両方で投与している。吐き気はないが、夕食はほとんど食べられない。

 (治療2日目)むかつく一歩手前のよう。瞬間的に37度以上に行くことはあっても、ほとんど36度。目薬1日1回。目を暖める。痒みがおさまって来ている。吐き気止めの点滴はカイトリル。夜はむかつきで食事できない。夕食は食べられない。

 (治療3日目) むかつき、頭痛、だるさ。食事とれない。病院食は中止。嘔吐、強い吐き気止め点滴。何回も嘔吐。昼も食事とれない。午後、吐き気止め投与。熱38度。嘔吐。内服薬は中止。ダウノマイシンは終了。(今回はダウノマイシンは3日間だけ:前回は5日間) 今日は、着替えも出来ず、ベッドで苦しんでいるだけ。


8月12日(日)治療4日目〜8月16日(木)治療8日目(抗がん剤投与)

 (治療4日目)むかつき少しあり。でも吐き気は無い。前と比べると、少し楽かもしれない。事前に吐き気止めを使ってるためか。今日は、37.4度以下で安定している。気持は悪いけど、嘔吐はない。明朝の具合で病院食を再開したい。だいぶ元気になってきた。

 (治療5日目)気分は悪くないです。顔が少しむくんているような気がする。インスリン注射を行った。食事の前に採血して糖が多い場合は、インスリン注射をする。胸部レントゲン(月曜日に定期的に行う)。吐き気止めやブドウ糖を投与するため、糖が上がるため、検査を行いインスリンを投与。

 (治療6日目)むかつき無し。少しだるい。昼前に血糖値を測り、インスリン注射。

 (治療7日目)たまに軽い吐き気。でも薬は使わない。明日、栄養相談をして食事を変更する。(もっと食べられそうなので。) 昼前に血糖値が上がったのでインスリン注射。

 M先生から説明。既に末梢血には白血病細胞がいない。治療は順調に進んでいる。吐き気は、一時的にはあったものの、ステロイド系の吐き気止めの効果で食事ができる状態になっている。金曜日にマルク(骨髄採取)を行う。そのために、ステロイドの投与を明日は中止する。

 (治療8日目)夜中にむかつき、目が覚める。昼間も少しむかつき有り。吐き気止め点滴を中止したためか。抗がん剤キロサイド終了、心臓モニター終了。


8月17日(金)治療9日目 〜8月22日(水)治療14日目

 (治療9日目)マルク。夜寝るときの点滴がなくなったのでリラックスできる。食事が出来ないときはゼリー飲料が飲める可能性がある。

 (治療10日目)シャンプー、体拭き、足湯をする。

 M先生から説明。マルクの結果、悪いものが見られないので、今後マルクは2週間に1回にする。末梢血にも骨髄幹細胞にも悪いものが検出されなくなった。ただ、本当に部分的にしか見ていないので、体中には悪いものがまだあるのだろう。それを徹底的に排除しなければ、白血病は再発してしまう。

 (治療11日目)今日は、気分が良い。

 (治療12日目)食事ができているので栄養の点滴は中止。胸部レントゲン撮影。元気なったので看護士さんもめったに来なくて寂しい。

 (治療13日目)肌がかさかさになってきたのでスキンクリームを塗る。1回目の血小板輸血。

 (治療14日目)白血球が減少しているため、熱が出てきた。夜38度を越えた。抗生剤を既に投与している。



8月23日(木)治療15日目〜8月29日(水)治療21日目

 (治療15日目)38.6度まで上がった。首のカテーテルからの細菌で発熱と判断。カテーテルを抜いて腕にカテーテルを挿入。白血球は200。2回目の血小板輸血。

 (治療16日目)抗生剤は3種類を点滴している。赤血球輸血。熱は最高38度程度。

 (治療17日目)胸部レントゲン。熱は37.5度程度。

 (治療18日目)熱は37度前後。白血球300。

 (治療19日目)3回目の血小板輸血。白血球300。

 (治療20日目)白血球200、体拭きとシャンプー。

 (治療21日目)体調安定。


8月30日(木)治療22日目〜9月5日(水)治療28日目

 (治療22日目)37度を少し超えたあたり。ここ3日間より若干高め。少しむかつきあり、胃が重たい。食欲あまりない。白血球400。

 (治療23日目)レントゲン、肝機能のデータが高いので、抗生剤の種類を減らして1日2回のシプロキサンのみにする。

 (治療24日目)なんか熱っぽいけど、熱は37度前後。

 (治療25日)なんか熱っぽい。

 (治療26日)首のカテーテルを抜く。腕にカテーテル。入院して初めてテレビの映画を見た。それだけ気分が楽になった。シャンプー、体拭き。熱は37度以下で安定。白血球1700、好中球300。

 (治療27日目)37度前後で安定している。

 (治療28日目)病棟が満室なので移動はできないが、無菌室から出ることは出来る。シャワーを使う。カテーテルを抜いた。病棟の人と話をする。


9月6日(木)〜9月10日(月)

 (9/6)病棟の個室に移動。ホッとする。熱は37度に近いが超えてはいない。足がだるいのが続く。

 (9/7)白血球2700、好中球900。マルクを行う。マルクの場所がかなり痛い。

 (9/8)胃が重い。37度以下だが、ちょっと熱っぽい。抗生剤の副作用で高かった肝機能のデータも少しづつ良くなっている。

 (9/9)熱は平熱になったが、熱っぽさは残っている。病棟から出て、病院の中を散歩。

 (9/10)前の日に動いたので、足がだるくて辛かった。白血球4300、好中球2000で外泊は問題なし。歯科検診をしてもらう。本格的治療が必要なところがあるが、今は歯科治療は無理なので様子見。今朝、再発して入院してきた人と話をした。「絶対に他の患者さんと比較してはダメ。頑張りましょう」と言われた。

  この病気の人が100人いれば100人とも違う治療をするといっても過言ではないそうだ。急性骨髄性白血病という病名でもいろいろな種類がある。その種類によって治療方法が違う。それは、過去のさまざまな治療データの蓄積によって最善のやり方を選ぶということ。医療とは試行錯誤の繰り返し。医療の進化も生命の進化と同じでサバイバルなのだ。


9月11日(火)〜9月18日(火)

 外泊で自宅に帰る。生食解除になったので御寿司や生野菜などを美味しそうに食べる。


9月19日(水)〜9月20日(木)

 肝臓の数値が良くない事とコレステロール値が上がってるがまだ大丈夫と言われた。痛風の薬飲み始めた。足の痛みも日に日に取れてきた。

 M先生から治療の結果についての説明があった。
 マルクの結果、完全寛解と判断できる。芽球(ブラスト)は3.6%で基準となる5%以下。末梢血の白血病細胞は見られない。以上が血液学的な寛解。サンプリングした20個の白血球細胞では、染色体異常(8−21)は見られない。これは、細胞遺伝学的な寛解。染色体異常は、7月末に既に見られなかった。これは珍しい事で見通しは明るい。





  • 闘病の記録(その1へ)
  • 闘病の記録(その3へ)