急性骨髄性白血病、闘病の記録(その5:12月1月)
最後の5回目の治療(地固め3回目)
いよいよ最後の治療だ。クリスマスもお正月もない。世の中はみんな楽しそうだけど、病院で苦痛と戦っている人もたくさんいる。再び健康な人の仲間入りをして太陽の下を笑顔で歩けるように、今を頑張る。
今回の治療も、前回と前々回の地固め治療と全く同じになった。好中球が上がらなかったら抗がん剤の投与日数を短くしなければならなかった。もちろん、治療としては5日間の投与の方が良い。
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12月19日(水)治療1日目〜12月24日(月)治療6日目:抗がん剤投与
(治療1日目)
午前中、CV(首のカテーテル)を無事入れ終わってレントゲン撮影。その結果、3cm入れすぎが分ったので修正。部分麻酔と再び縫ってとめるのがちょっと痛かった。採血結果:白血球4500、好中球2700。いよいよ無菌室に移動。荷物がだんだん増えてきたので引越しも手間がかかる。午後2時から抗癌剤入れ始めた。CVを入れた所は、後で3センチ抜いたのに今までで一番痛くない。夜、ちょっと頭が痛い。今日は色々と忙しかったので眠たい。
(治療2日目)少し麦茶の味が変わってきたし、浮腫も少し出てきている気がする。
今回は、いつもより副作用の症状が出るのが早い。午後37.7度。
夜37.3度。何だか顔が火照って、湿疹が少し出てきています。いよいよ食事ができなくなってきた。点滴は、ファンガード、利尿剤、カイトリル(吐き気止め)、水(24H)。白血球8800、好中球8100。熱が高いのも、白血球と好中球が高いのも、薬の反応だと先生が言っています。教授回診でU先生が「がんばりましょう」と、声をかけてくれた。
(治療3日目)朝、37.0度。少し頭が痛い。昨夜、腕と足にアレルギー性の湿疹が出てきて、治療が中止になるのではと心配したが、当直の先生が想定内と言ってました。朝食はなんとか食べましたが、多分、昼と夜が食べられなくなると思いますので、栄養相談をする事にしました。アイスクリームが食べたい。胃が重く食欲がない。たまに寒気、だるい。
吐き気止め(ソルコーテフ)のお陰で、夕食は食べられました。さっき、看護学生達によるキャンドルサービスがあり、クリスマスソングを歌ってくれました。面会通路に来てくれてインターフォンで歌声を聞きます。クリスマスカードとちょっとしたプレゼント。美しい歌声は癒されます。
(治療4日目)だるさ、たまにむかつきがあるものの体調に大きな変化なし。夕食は食欲がなく、ほとんど食べられませんでした。白血球5700、好中球5700。炎症反応が上ってきた。午後からは話すことが辛いほど、気分が悪い。
(治療5日目)朝から、むかつきがあり、吐き気止め使った。夜もむかつきがあるけれど。仕方無いですね。夕食、みかん1個、いなり寿司一口食べました。小さなクリスマスツリーに電池で点滅する3色LEDイルミネーションを作って面会ウインドウに置きました。
(治療6日目)少しのむかつきがあるけれど大丈夫。やはり手の湿疹が出てヒリヒリしている。今回は手の甲まで湿疹が出てしまった。抗癌剤入れが終わってホッとする。昼から下痢が激しい。夜、37.5度。
夜は点滴がなくなりました。食べると下痢がひどくなる。点滴はファンガードと水のみになりました。白血球5400、好中球5400。世間はクリスマスイブですね。
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12月25日(火)治療7日目〜12月31日(月)治療13日目
:好中球数が低くなる
(治療7日目)
手が痛くて夜中に目を覚ます。下痢が気になって食べられない。水分はとっている。少し落ち着いてバナナを食べる。夕食後やはり下痢。いつも抗がん剤終了時に2〜3日下痢をする。目薬は終了。白血球1500、好中球1400。
(治療8日目)
手は痛みからヒリヒリに変わる。お腹の調子も落ち着いている。昼はむかつきがない。普通食に戻してもらう。夕食、久しぶりにご飯を食べました。白血球400、好中球400。退院した患者さんがみかんとアイスを差入れしてくれた。病棟は満員とのこと。クリスマスなのに。
(治療9日目)昨夜は夕食後も下痢無し。もうそろそろ大丈夫。無菌室に入ってから初めて朝まで良く眠れました。今回は色々な物を食べる余裕が出てきた。白血球300、好中球200。点滴は水を昼間6時間、朝ファンガード。15時からは点滴なし。(この時期で点滴なしは初めて。安定している。) クリスマスツリーに付けていた電池で点滅する3色LEDイルミネーションをお供え餅の上において面会ウインドウに置きました。
(治療10日目)胃が少し重い感じがあるけれど体調に変わりなし。たまにむかつきがあるけれど食事はしっかり食べられる。いよいよ好中球がゼロになった。今日はシャンプー。白血球100、好中球0。(とうとう好中球がゼロになった。) 熱がないので抗生剤を使わなくても良い。だから肝機能の値もそれ程上っていない。
(治療11日目)先生が「順調です」と言っている。むかつきについて伝えた所、粘膜障害か水の点滴を減らしたためかとのこと。様子を見るとのこと。とにかく水を飲む努力をする。食欲が出てきました。血小板の輸血。白血球0、好中球0。
(治療12日目)水の点滴がなくなった。点滴は朝1時間のファンガード(肺炎予防)のみになった。夜、少しだるい。白血球0、好中球0。
(治療13日目)昨夜、熱が37.4度以上にはならず、朝には下がっていたのでホッとしました。昼、36.7度。夜、37.5度。
夜になると、熱が上がります。夕食は、年越しそば風のうどんといなり寿司1個でした。首のカテーテルが痛い。消毒してもらう。30日から4日まで病院は休診。医師や看護士が少なくなった。
今日は大晦日。 |
2008年(平成20年)
2008年1月1日(火)治療14日目〜1月4日(金)治療17日目:好中球数が低い
(治療14日目)とうとう年が明けた。夕べ、紅白歌合戦を見ながら寝てしまった。朝、36.9度。
だんだん熱が高くなってきている。朝食はおせち料理。昼食はお赤飯、きんぴら、きんとん。夕食は鯛(切り身)の焼き物、和菓子が出ました。
赤血球と血小板の輸血。白血球0、好中球0。シャンプー。夜、37.3度。
(治療15日目)手の皮がかなりむけました。外来に移動した看護師さんが来てくれて、折り鶴をくれました。これから外来でお世話になる人です。白血球0、好中球0。37.5度以上になったら抗生剤を入れるとのこと。
(治療16日目)朝、37.0度。昨夜37.8度まで上がったので、血液培養して抗生剤オメガシンと水の点滴が始まりました。体が熱ぽいだけで、熱もすぐ37.2度まで下がったけれど、抗生剤は早めに入れた方が高熱にならないと思います。首のCV(カテーテル)も痛くなってきたし、そろそろ抜かれると思います。昼、37.1度。夜、37.2度。体調に変わりないけれど、だんだん食欲が無くなってきた。首の消毒をしてもらったが、外観上は特に問題ないようです。
(治療17日目)夜中に自分のうめき声で目が覚めた。朝、36.5度。
体調に変わりなし。熱が無いので楽です。食欲も出てきたし、朝食はブドウぱんなので良かったです。昨日のパンも食べることにしました。その後、朝食を全部嘔吐。吐き気止め投与。
お昼はあまり食べられない。昼、37.1度。夜、37.7度。
だんだん熱が上がってきたし、むかつきも出てきた。夕食あまり食べられなかったので、梅茶漬けにしてご飯は全部食べました。白血球0、好中球0。眉毛が又抜け始めた。
お正月の朝日新聞に白血病の記事が出ていた。本田美奈子さんは、特殊な種類の急性骨髄性白血病だったそうだ。最初は化学療法をしたが、再発して骨髄移植。でも最後は肺に水がたまり命を落としたとのこと。初枝と同じ慈恵医大に入院、治療をしていた。新聞に病室にいる彼女の写真が載っていた。椅子もテーブルも今のままだ。彼女は患者さん達が集まるロビーによく来て、にぎやかにお話をしていたとのこと。ある日、そこでミニコンサートをして患者さん達を喜ばせたそうだ。
団十郎さんの記事も出ていた。化学療法をしたが、やはり再発して自家幹細胞移植をして成功したとのこと。移植後の2ヶ月間は、非常に苦しんだそうだ。団十郎さんは、移植の症例が多い虎ノ門病院で移植治療をしたとのこと。
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1月5日(土)治療18日目〜1月11日(金)治療24日目 :高熱とグラン注射
(治療18日目)昨夜9時には、38.0度まで熱が上がり血液培養。朝には36.8度まで解熱剤無しで下がった。多分、また上がると思う。午前中、首のCVを抜く。かなり痛かった。左腕にカテーテル失敗。また痛い。右腕にカテーテルを入れる。午後37.5度。レントゲン撮影。血小板輸血。夜、38.5度。むかつきあり。高熱が出たので血液培養のため採血。抗生剤変更2種類(マキシピームとミノマイシン)1日4回。とうとうグラン注射。前回、前々回(治療開始から19日目)と比較して1日早いグラン。白血球15、好中球0。
大量療法による3回の地固め療法とも、抗がん剤投入から18、9日目で高熱が出てしまった。細菌に抵抗力が出てしまって抗生剤が効かなくなってしまう。だから自力(自分の好中球)で細菌と戦わなければならない。グランを注射することによって造血幹細胞を刺激して無理やり好中球を作るのだ。体中に造血幹細胞があり、そこが刺激されると激痛や違和感がでる。好中球が数百になれば、もう無菌室にいる必要がなくなる。無菌室にいて高熱でうなっていたのに、数日後には平気で病棟を歩いているということは普通のことなのだ。その後、一気に好中球が上がり1500くらいになるとグラン注射を終了する。終了すると、グランを注射しなかったときの血球状態に戻る。だから好中球が再び数百に戻ることになる。治療を繰り返すにしたがって、造血幹細胞の回復速度が遅延してくる。なかなか血球が上がらないのだ。4回目の治療が終わったあと、12月は血球がなかなか上がらず、初枝は、かなり神経質になってしまった。最後の治療である今回もそれ以上に血球の上昇には時間がかかるはずだ。
(治療19日目)朝、36.9度。立ったり動いたりすると貧血の様な気持ち悪さがある。朝一番で、看護師さんによる採血、先生が来たら直ぐ(グラン使ったので)データを知りたいとのこと。昨日のレントゲン、問題はなく、きれいだったそうです。昼、37.3度。2回目のグラン注射。14時38.5度。高熱が出たので血液培養のため採血。15時半38.6度。解熱剤ソルコーテフを使う。夜37.1度。ようやく熱が下がり始めて少し楽になりました。夕食も普通の大きさの半分のカツ3切れ食べました。白血球0、好中球0。
(治療20日目)朝方4時頃、寒気とむかつきで目を覚ましたら、38.4度だったので解熱剤を使った。朝7時には37.8度まで下がりました。グラン注射。昼36.3度。午後、免疫を高めるヴェノグロブリンを点滴(3日間)。17時に熱が38.3度になったので解熱剤を使いました。18時半38.7度。そろそろ下がって来ると思います。白血球68、好中球0。CRP4.72(炎症反応がかなり高い)
(治療21日目)朝、37.3度。腰の違和感が有り、頭が少し痛く、鼻がたまに詰まります。朝7時半39度(今回最高の熱)。血液培養して解熱剤投与。解熱剤は12時間位持続する。4時半頃ようやくグランの注射、当直の先生にいくら連絡してもこなかったので別の先生が来てくれました。夜、37.0度。白血球100、好中球0、CRP5.55(炎症反応がまだ上る)。
(治療22日目)朝、36.9度。夕べ、熱は37.9度までしか上がらなかったけれど解熱剤使った方が楽なので入れてもらいました。昼、36.5度。午後レントゲン。夜、37.3度。血小板、赤血球の輸血。赤血球は濃いのでカテーテルの所が少し痛い。水の点滴になったら痛みは軽くなってきました。これなら、カテーテル入れ直さなくても良さそうです。昨日から抗生剤は、マキシピーム4回/日、リンタシン2回/日の2種。グラン注射、ファンガード点滴、ヴェノグロブリン点滴。白血球400、好中球300(グランの効果で上がってきた)、CRP4.98(まだ高い値)。
(治療23日目)朝、37.4度。むかつき有り。グランで朝方から胸の骨が痛く、少し腰に痛みが移動してきた。眠れずだるい。痛み止めは使うと気持ちが悪くなるので使いたくないです。今日もグラン注射。昼、37.1度。好中球数が上がったので無菌室から病棟に出ることは許可された。但し、病棟が空いていないので移動できず。夕方、37.1度。早速病棟へ行ってきました。知っている3人の患者さんは個室で会えませんでした。大部屋は誰も知り合いはいませんでした。夜、37.4度、微熱でなんかだるいです。むかつきも有り、食欲もあまり無いです。さっき、個室の患者さんに会いました。一人の女性は、また治療することに。もう一人は退院したのに、熱と鼻血でたった1日で救急車で再入院。3人目の人は退院前から決まってた治療入院です。白血球1600、好中球1000、CRP3.95(まだ高い)。M先生と話をした。熱が高い状態が続いたのでグランをもう1日入れる。明日の採血次第で中止する。今後の血球上昇状態と上昇後のマルクを見て退院を判断するとのこと。
(治療24日目)朝、37.3度。微熱は有るもの、体調に変わりなし。たまに、咳がでるけれど、気にならない程度です。昼、37.4度。夕方、37.3度。明日、大部屋に移動が決まりました。入院した時と、この間までいた大部屋と場所が同じです。今日からグランなし。白血球2600、好中球2000、CRP5.48(また上ってしまった)。水の点滴は9時から15時までで、その間に抗生剤2種とファンガードの点滴。この時間以外は点滴なし。微熱が続いている。
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1月12日(土)〜1月18日(金):病棟にて。(グラン終了で不安定)
(12日)昨夜、37.8度まで上がったり、気管支がゼイゼイして咳が出たりしました。M先生が来たので診てもらいました。まだ、この間までの熱がくすぶっているのか、風邪を引いたのではと言うことでした。好中球が高いから、炎症反応CRPも落ち着いてくるだろうと言われました。朝、36.7度。また上がるかも。部屋移動終わりました。大部屋には、知っている人はいません。誰も話さないし静かです。何かストレスになりそう! 早く退院したいです。白血球3500、好中球2400、CRP6.70。何故CRPがこんなに上がるのか? 肝機能の数値もあがってきた。抗生剤は継続。レントゲン撮影。夕方、36.9度。むかつきも有りあまり食欲がないです。Y先生が来て、CRP高いのは、熱が出ていたためではないかと言ってました。部屋の一人がCVの挿入で、うめいて泣いてました。やはり皆辛いよね。夕食から生食禁止解除になったみたいで、看護師さんに確かめてもらいました。好中球が2600なら当然か。天ぷらに大根おろし、キュウリの酢の物が付きました。食欲が出てきて全部食べられました。
(13日)昨夜、横になると軽い咳が出てきて困ったけれど、朝は少し胸がゼイゼイするくらいで大丈夫です。この事は先生に伝わっています。朝、36.8度。白血球1700、好中球900、CRP5.34。お昼に一緒に食べた八階のレストランでのエビカツサンド、とても美味しかったです。ちょっとした事にも幸せを感じます。3時の抗生剤を入れながら少し眠りました。これからお茶します。夕方37.0度。たしかに夜は熱が上がって来ているようです。夜、36.5度。部屋のメンバーに色々な情報(特別食など)を教えてあげて喜ばれてます。
(14日)昨夜、寝ようとすると乾いた咳が出てきて気になりました。朝、36.4度。微熱は落ち着いて来ています。朝は咳は出ないけれど、気管支が少しゼイゼイする感じです。昼間は気にならないのにね。午後、36.5度。夕方、ゼイゼイする感じと咳が気になって、看護士さんに言ったら、当直のK先生に連絡取ってくれて診察受けました。軽い気管支炎を起こしていて、空気の乾燥も関係し、空気を吸う時、刺激となって咳が出るようです。咳止めの薬を処方してもらいました。夜、36.5度。1日中熱はずっとこの位です。咳止めアストミン(錠剤)飲みました。さっき、同室の患者さんが友達にもらったマカロンを一つくれました。雑誌やTVで見たことある、行列の出来るデパ地下の美味しいお菓子でした。
(15日)昨夜は薬が効いてゼイゼイする感じも咳も止まりました。朝、36.5度。薬が切れたのか少しゼイゼイした感じがしています。飲み薬は5日分出ています。午後、地下のパン屋さんに行って焼きそばパン買って来ました。白血球1500、好中球600。熱が落ち着いたし、CRPが下がったので、久々にシャワー浴びる許可が出ました。やはり気持ち良いです。夜、36.7度。好中球500まで生禁解除のままだそうです。夕食、麦とろご飯でした。廊下10往復、ステップ5分、これを1日3回。全然ゼイゼイしないし、咳も出ないのに、横になると駄目です。
(16日)朝、36.3度。今朝、同室の患者さんから、優しくて話せる人がいないと困るからもっと居なさいよと言われた。絶対やだよね。皆早く退院したいのに。でも、私は外は寒いし、のんびり血球が十分に上がるの待ちます。午後、36.5度。白血球1100、好中球400。好中球数が低いので、明日は病棟から出ない事にします。CTの結果、肺に何か影があるみたいで抗生剤を続けるそうです。肺炎ではないそうです。肺に一個5ミリ程度の影がポツポツとあるのは、熱を出した時に検出された細菌の塊が血管のなかのに残っているものが写ったもので、そのうち治ってくるそうです。レントゲンには写らない。いまの抗生剤は効いているので熱が出ないかぎり変えないで、しばらく続けるそうです。血球が自力でようやく上がってくる兆候が見えて来たそうです。再びシャワーは禁止になりました。咳の原因は気管支炎。内臓のCTは問題ないとのこと。夜、食事の後でも36.6度。熱が出なくなりました。
(17日)朝、36.8度。教授回診で、初めて教授が診察してくれました。何も言われなかったけれど。午後36.6度。来週の火曜日「しんちグラフ」の検査します。動脈のMRIみたいなもので、時間がかなりかかるみたいです。この間、熱出した時、血管の中に血腫ができて、それがたまたま肺に出たのが、CTに写ったのではないかと言われました。検査で肺炎か血腫かはっきりすることになります。もう少し熱が続いたり、抗生剤がきかなかったり、他の場所(脳、心臓など)だと危なかったみたいです。今の血腫の状態なら小さいので心配要らないそうです。咳、ゼイゼイする感じも夜になるとあり(だんだん良くなっている)それも、関係あったのでは。白血球1500、好中球600。病棟から出ても良いけれど、好中球400も600もそうそう変わらないからと言われました。夕方、36.2度。抗生剤は明日で終わる予定です。私と同じ検査した人は、いませんでした。検査の正式名称を看護師さんに調べてもらいました。「肺換気血流シンチ」だそうです。看護師さんがこの検査している人あまりいないと言ってました。「シンチ」とは、薬(造影剤など)を入れて透かしてみる事と教わりました。
(18日)昨日は一度も咳止めを飲みませんでした。昨夜は咳が出なく眠れました。朝、36.5度。少し咳とゼイゼイする感じがあるけれど大丈夫です。熱が上がらなくなってきました。白血球1300、好中球500。午後3時で抗生剤を全部終了にして手のルート抜きました。薬も明日から、ポリミキシン、ビオフェルミンがなくなります。肺のCTを見せてもらいました。肺の血管は細いので一番出来易く詰まりやすいそうです。血腫はいずれ無くなりますが、肺の機能は1%位失われてしまうそうです。でもその事で生活するのに何の問題もないと言われました。脳の血管が心配だったらCTをとるそうですが何の症状もでてないので必要ないと言うことになりました。 夜、36.4度。咳も出なくなってきました。
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1月19日(土)〜1月28日(月):病棟にて。(血球上昇待ち)
(19日)朝、36.3度。今日は寝坊しました。点滴が無くなると楽ですね。気管支も大丈夫です。白血球1500、好中球600。夜、36.8度。夕食は、ちょっと食欲が無くなり、かなり残してしまいました。その後、36.6度。午後から少し疲れて食事前に寝てしまったので食欲が無かったのかも…
(20日)朝、36.3度。18日に抗生剤が終了した途端に何か疲れを感じ始め、運動を控え目にしても、食後いつもより寝てしまう。気管支も良くなっているけれど、まだ違和感がある。夕方、36.5度。右足が少し痛いけれど大丈夫そう。足は廊下を歩いていてスリッパで靴づれが出来たかも。おすと痛いし赤くなってます。
(21日)夜、36.3度。足の甲が靴ズレも有るけれど全体に何か違和感がある。食事もちゃんと食べられているので心配要りません。午前中にレントゲン撮影。白血球1600、好中球600。なかなか血球が上がってこない。午後、36.8度。先生と話をしました。マルクは明後日水曜日の採血の結果次第ですが、出来れば木曜日にしたいそうです。もう少し血球が上がり、安定したところが一番良いのだけれどあまり長く待たないほうが良いそうです。先生の口から初めて退院と言う言葉が出ました。「早くて来週のあたま位には」と言うことでした。その前に退院にむけての話し合いが有ります。明日の事ですが、呼吸気の検査が一つ増えました。全部で2時間位かかるそうです。夜36.6度。コレステロールの薬は今の状態で必要とのこと。糖尿病も気になるので検査するそうです。まずはカロリーコントロールからです。
(22日)朝、36.3度。夜なかなか寝付けなかったせいか、頭が少し重いです。太ももにお湯をこぼして赤く、少し水膨れが出来てひりひりしてます。アイスノンで冷やしてます。先生と話しました。火傷は冷やしていれば大丈夫。先生に「気を付けて下さい」と言われてしまいました。火傷を冷やしていたので体が冷えてしまいなかなか暖まらなかった。でも、全てたいした事はないです。肺血流検査と呼吸器検査は核医学というCTとMRIの橋渡しをするガンマ線を使う検査のようです。肝臓の外来診察。夜、36.5度。明日は血糖値の検査を1日7回、耳から時間を決めてするそうです。
(23日)朝、36.5度。今日は1日かけて夜9時まで血糖値の検査、お腹空いても何も間食しないようにしないと。昨日の肺の検査は先生の所見どうりだったそうです。今までの治療の途中でなく、最後で良かったと言われました。治療途中だったら厄介な事になってたかも。今日からウルソ(肝臓)、オメプラール(胃)の薬が無くなりました。今朝からザイロリック、セルベックス(胃)だけになりました。白血球1700、好中球800。夕方、36.9度。何だか熱が上がってきてしまいました。下がると思います。夕方の体温何もしてないのに上がってました。少し頭が重いです。夕食後、36.4度になり安心しました。明日午後マルクする事になりました。
(24日)朝、36.4度。血糖値の検査1日7回は、けっこう面倒でした。でも、外来ではここまでは出来ません。夜明けが少しずつ早くなってきました。昨日は、久しぶりに雪が見れて嬉しかった。午後、36.7度。無事マルク終わりました。相変わらず痛かったです。今回は、いつもより血が止まらなかったみたいでした。でも今は大丈夫です。明日2時に退院にむけての話し合いをしたいそうです。夕方36.4度。
(25日)朝、36.6度。体調に変わりなし。たまに熱ぽくなったり、だるくなったり頭が重くなったり、でもたいしたことないです。昨日のマルクの所が寝返りうつと痛かった。午前、36.4度。私の肺の血の塊は「塞栓:そくせん」でした。
午後、M先生と退院の打ち合わせ:
好中球は高いレベルにはないが、1000近くになっていて、安定して上がりつつある。心配した肺の状態も検査結果は問題なし。いつでも退院可能とのこと。退院は1月28日(月)に決定した。血球が通常レベルになるのには、あと2週間くらいかかるだろう。体力も1ヶ月も経てば回復するだろう。そうなれば、もう普通の人と何ら区別することなく生活をすることが出来るとの事。スポーツも旅も以前のように出来るとの事。でも決して無理をしないようにと。
夕方、36.6度。最初の外来は、2月15日11時30分、その2時間前位には、採血とレントゲンを受けなければならないそうです。
良くなって退院する人を見るのは良いけれど、昨日のような話を聞くと、知っている人だけに辛いよ。
実は初枝の退院が決まったこの日、ある患者さんが亡くなった。少しの期間だったけれど大部屋で初枝と一緒に入院生活をしていた人だった。この7ヶ月間に命を落とした人は5人もいた。このフロアの病棟は17ベッドだから、まだまだ白血病は不治の病という印象があるのは否めない。この間まで元気だった患者が、急に病状が悪化するのもこの病気の特長だ。逆に初枝のようにフラフラな状態で入院してきても、抗生剤の投与で数日で元気を取戻すのもこの病気の特長である。白血球がないから細菌をやっつけられない。細菌により高熱がでる。抗生剤により細菌を殺せばすぐに元気になるという理屈である。悪化するのは、抗がん剤による治療が出来ない場合だ。感染症や持病などで強い抗がん剤を投与できないときがやっかいだ。普通なら何でもない病気の帯状発疹も、抗がん剤治療中だとかなり危険な状態になってしまう。現在でもセカチューのような悲劇が実際にあるのだ。
(26日)朝、36.6度。体調に変わりなく元気です。午前、36.4度。火傷の所がまだヒリヒリしています。火傷は毎日軟膏塗ってガーゼをかえています。すごく順調で最短記録の治療をしてきた患者さんが肺に影が出てしまい、検査(結核、肺炎)で1週間位は治療に入れないそうです。夕方、36.8度。少し暖かい所にいたせいか、熱が若干高いけれど大丈夫です。計り直しても36.7度。下がらないです。消化器・肝臓内科の予約2月18日9時からしか取れませんでした。なんか、しょっちゅう病院通いになってしまいますね。暫くは仕方ないかな? 夜36.5度。やっと熱が下がりました。ここの所良く眠れないです。なんか疲れた。今日の夕飯食べたくなかったので、持っていたドリアをチンして美味しく食べました。知り合いの男の人達が今日から外泊なので退院の挨拶しました。夜その後36.8度。また後で計り直してみます。退院は大丈夫だと思いますが、月曜日になるまでは分からないのが不安です。その後36.2度。熱が下がりました。M先生に「月曜日まで不安だ」と言ったら「僕は全然不安じゃないですよ」と言われました。
(27日)朝、36.8度。昨日から微妙に熱が少し高いです。朝起きたらなんだか鼻声になっていました。でも体調には変わりないです。同室の患者さんが個室に移動してなんかホッとしています。彼女の辛い状態を知ってただけに、知らず知らず気を付かっていたのかも。鼻声も治ってきました。大丈夫そうです。夕方、36.3度。状態に変わりなし。
(28日)朝36.3度。無事退院の朝を迎える事が出来ました。これも色々な人達のお陰です。いつもの様にロビーから夜明けを見てました。東京タワーの上に月が掛かり綺麗でした。今タワーの展望台に朝日が反射してます。
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7ヶ月間を超える入院生活だった。私は、ほぼ毎日横浜から通った。特に初枝が拷問のような治療をしている間は、無菌室の面会廊下に数時間は居るようにした。治療の苦しさと戦うためには心の支えが必要ではないかと思ったことが一つの理由。もう一つは、私としては病院通いすることを悲観的に考えないようにして、毎日病院の近くで外食したり散歩を楽しもうと思った。単に洗濯物を届けて患者の顔色を見てすぐ帰るのだったら宅配便を使った方がよっぽど経済的。患者と一緒に病と戦う。病院への往復の中に楽しみを見いだす。だからいつも病気と治療に対する緊張感を持ちながら毎日の看病が出来たと思う。病院に自転車を置き、銀座、新橋、赤坂、六本木あたりまで行って、食べ歩きもしたし、新しい風景も発見した。日比谷通りを通過する東京国際女子マラソンや箱根駅伝も旗をもって応援した。どんなことがあろうと「これも人生」と思って前向きに生きていたい。
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